AIの登場で、ライターの仕事が今後なくなるのではないかと不安になっていませんか?
情報が溢れていて、どうすればこれから先ライターとして生き残れるのか悩んでしまっている方もいらっしゃるかもしれません。
2023年4月28日に開催されたウェビナーでは「AI時代のライターに求められる役割」をテーマに、デイトラCMOの初芝賢さん・デイトラライティングコース講師の佐々木ゴウさんの2名でディスカッションが行われました。
現役のマーケティング責任者とライター講師のお二人から、現状のChatGPTの体感や今後ライターとして生き残る戦略を伺ったので、今回はその様子をお届けします!
登壇者の自己紹介
初芝賢さん
初芝さんは、2019年にWebメディアである東京フリーランスの編集長を務め、現在はマーケティング責任者を担当しています。
佐々木ゴウさん
佐々木さんは「douco」では制作会社としてAIを使っており、AIを使ったツールの開発にも携わっています。昨年に続き、今年もう一冊出版予定です。
ChatGPTが流行ったけど今の状況は?
初芝:まず初めに今日のウェビナー参加者にアンケートを取りたいですね。「ChatGPTを使ったことがありますか?」と聞いてみます。
初芝:全体の約半数ぐらいが使ったことがある、という結果が出ましたね。
佐々木:OKです。今日はAIが色々ある中でChatGPTに絞った話を進めていきます。「ChatGPTが流行ったけど、”今”の感想は?」というテーマで考えると思ったより大丈夫でした。
なぜなら今の技術では、法人側がChatGPTにほぼ丸投げで記事を作成し、ライターへの発注がなくなるというような状況になっていないからです。ChatGPTに任せた記事の仕上がりが期待通りでなかったので、法人から問い合わせが何件か寄せられるぐらいでした。
ChatGPT導入で減った案件
佐々木:ただ一方で、文字単価0.5円以下の案件は激減しているという体感があります。あと、アンケート形式の案件も0.2円以下のものは減っています。
初芝:いわゆる誰でも書ける・数だけ欲しい案件が減っている感じですね。全部というよりもバリューの低い仕事が変わっているんだろうというところはありますね。
佐々木:ChatGPTのせいで案件が減ったというTwitterの声は2つに分けて考えたほうがよいです。
1つは誰でもできるから激安の案件がなくなったというもの、もう1つはある程度の単価でやりがいのある案件がなくなったというもの。
この後者については、危機感を持った方がいいです。例としては、ChatGPTの登場で社内の人間が書けるようになったので発注を止めるケースですが、たまにある程度で多くはないです。
その危機感を持つべき仕事が減った割合は、Twitter上の体感で1割ぐらいだと思っています。
初芝:簡単なところは当然代替されていきますが、ライターとしてのバリューを出していこうと思ったら、リサーチスキル・独自性を出せるロジック・専門性が必要です。ChatGPTが出すのは平均値的な回答になってくるので、まとめ記事では役立つかもしれませんが、独自性・有益性がないから低品質とGoogleに判断される可能性があります。
ChatGPTのあるなしに関わらず、ChatGPTで書けるような記事を書く段階は早めに脱しないといけないとは思います。
AIが苦手なところ・得意なところは?
リサーチ系は苦手
佐々木:簡単にいうと、ChatGPTは調べもの系は苦手ですね。とんでもないウソをついてきます。
そのため、AIは調べもの系は得意じゃなく、最後に責任を取れないから任せられないんですよね。
初芝:そもそもなぜリサーチ系が苦手かを説明するにあたり、ChatGPTの仕組みを知っておいた方がよさそうですね。ChatGPTは世の中にある情報から答えを出しているわけではないです。膨大にある情報から「この単語の次にはこの単語が来る確率が高い」という確率論的でどんどん出しているだけなんです。そういう確率論のモデルになっているので、正解を保証してくれるものではなく、リサーチで間違ったことを言う。そこを知っておくといいかもしれないです。
発想のタネを出すときには活用できる
佐々木:僕は基本的に「発想のタネに使う」ためにChatGPTを活用しています。
たとえば「Webライター 副業 おすすめ」のテーマで記事を書く依頼があったとします。そのときにメリットを自分なりに調べた上で考えるほか、他の人にも聞いて10個出しました。
その10個だけでなく「他にもあるんじゃないかな?」と思ったときに、ChatGPTに対して「メリットを30個出してください」と聞きます。ChatGPTからの返答は突拍子もないものもいっぱいあるのですが、一部「確かに」と思えるものがあるんですよ。
このように、メリット・デメリット・比較基準などの内容を考えるときに、ChatGPTをしょっちゅう使っていますね。
初芝:こうやってアイデアが色々と出せますね。このアイデアから「どのアイデアがいいか」とブラッシュアップしていきますか?
佐々木:していきますし、どのアイデアがいいかブラッシュアップしたものを選ぶというところが、ライターの仕事だと思っています。あと、ライターの皆さんはぜひ一度ChatGPTを触ってみてください。ChatGPT3.5だと無料で使えます。使ってみると「ここは使えるけど意外と使えないな」など色々なものが見えてきます。
初芝:ChatGPTを使うコツの一つは「役割を与える」ことですね。たとえば「リンゴ」という単語一つでも、果物のリンゴを想像するのか、Macのリンゴを想像するのか、複数の選択肢が生まれます。
ChatGPTは無数の色々な情報を持っているので、あらゆるパターンで回答できてしまうのですね。
たとえば在庫管理という仕事の記事を書くとします。ここから自分が望む方向に導くためには、プロンプトを書くときに「あなたは在庫管理のプロです」のように、ChatGPTに役割を与えるやり方があります。AIの回答範囲を限定することによって、自分の望む方向性の回答が返ってくるっていう仕組みがあり、その限定させるために役割を与えるのは有効です、というのは一つ大事なところです。
これからのライターに求められることは?
AIが取材を代替するのは厳しい
佐々木:AIが取材って僕はずっと厳しいと思っています。特に有識者、ある程度の年齢の方とかにいきなりAIで丸々依頼したら、怒られる可能性があるのは想像つきませんか。つまり、人間側が嫌がる、というのが一つ重要な要素だなと思っています。
初芝:そうですね。機嫌よくしゃべってもらうというのもできないですし、それって「この間ツイートしてた○○ですか?」みたいな拾い方もできないですしね。
佐々木:そうですね。話が盛り上がることなく、決まった通りの受け答えだけだと、アンケート形式の回答と同じみたいになっちゃいますね。
これからの時代に価値を持つのは、やはり一次情報です。体験したり、聞いたりするということ、これ自体はAIの要素上難しいですよね。結局これは人格のないものとなると、少なくとも人はあまり答えてくれなさそうで、その状態はずっと続きそうだなと思っております。
ライティングマーケターを目指すのがおすすめ
佐々木:ライターとして求められるという意味でいうと、クライアントに言われたまんまに言われた記事を書くだけではなく、こちらからマーケティング的な提案をすることが大切です。
例えば記事を書き終わった後にそこからどうすれば申込が生まれるか、と考えると「あなたの商品はこんなところに強みがあるのでPRしましょう」ということ、他にも「競合がこんなことを言っているから、こういうことはあえて触れない方がいいでしょう」と自分から伝えてみる。今回記事ができたので、その記事の一部を使って、そこからTwitterに投稿してみませんか?とか、その内容を画像にまとめてインスタに投稿してみませんか?とかを提案してみる。もしかしたら記事の文章をツイートやインスタ用に要約すること自体はAIにもできるかもしれませんが、そもそも提案すること、Twitterにした後の内容をチェックするなどその立場でAIはやりきれないですよね。
なので、よりよいものにするために、こちらから提案したり問いを立てたりしていくポジションはAIにはできないですし、あとはそれができたら、AIを使う側になるんですよね。
初芝:本当にそうですね。
佐々木:例えばライターという立場であれば、最初はSEOで頼まれるとしても、関連してマーケティング上でどういうことがあるのかということを知っておく。クライアントが仮にお花屋さんだとしたら、インスタでの発信が良いのではないかと考えて提案していくと仕事の幅が広がる。ライター自身が一次情報を得て、マーケティングに活用することは、AIに関係なく取り組むのがよいです。これは重要なことで、それができると楽しいし、お金が儲かるんですよね。
初芝:まさにそうですね。この新たな役割はライティング、文章という手段を使うマーケターだから「ライティングマーケター」みたいなものだと思うんですね。それをブログ記事だけじゃなくてSNSとか広告とかあるいはプレスリリースとかにも展開する。このように文章を書くスキル、ライティングスキルを使って提案していき、色々な場でマーケティングコンテンツを作っていく。まさにゴウさんがその仕事をやられているんですけど、そういう立ち回りをすることが、ライターのキャリアパスになっていくんじゃないかなと思っています。今までは逆に簡単なブログ記事だけでも食べていけたから、そこまでステップアップしなくてもよかったのです。しかし、今後はどんどんステップアップしていくことが求められていくんじゃないかという気はしますね。
それは楽しいし、単価も上がります。それをやっていこうとなったときに、昔はちょっとしたクリエイティブを創っていくのにデザインスキルがないといけないとかがありました。そういうところもAIがでてきたから、苦手なことをAIで補うことによって自分のライティングスキルをどんどんいろんな場所に活かしていって、資料作成とか、取材してコンテンツを作っていくとかでも活かしていけるから、そういう風な立ち回りとかが変わっていくんじゃないかなっていうのはすごく思います。
まとめ:AIをマーケティングの道具として使えると活躍できる
佐々木:AIはとても便利なので使わない理由がないですし、怖いからこそ使わない理由もないです。
ただ、全部は全然できない。取材とかファクトチェックとか責任を取り切れないからちゃんと調べ切ることが大事です。AIをマーケティングの道具として使えるライターは活躍の場が確実に広がりますし、あとはAIがあるからこそ企業側が興味を持って誰かにお願いするというのが実際増えてきているので、このポジションを活かしたいですね。
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30代後半、関西在住のWebライター。
ココナラでプロフィール作成代行をメインに活動しています。
ブログでは利用してよかったサービス・商品を中心にお役立ち情報を発信中。
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